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ヒポクラテスやプラトンの昔から、医術(医学)は「アート」であるといわれてきました。阿部正和先生(元東京慈恵会医科大学長)は「スキル」だけでなく「医の心」や「医の道」を含めた概念が「医のアート」であるとおっしゃっています。YMSでは、医師を目指す若者の資質を伸ばすためには、「医のアート」の理解と追及が重要であると考え、指導しています。
一見、これは学科の学習と関係がないように思われますが、生徒の志望動機を強めると同時に、その効果として学習の意欲も高めることとなり、結果学力アップにも大きな影響を与えるのです。医師の資質を高めるために「医のアート」があるとするならば、学科対策よりも重要だと言っても過言ではありません。
「医のアート」は単なる小論文・面接対策ではなく、生徒が医学部に行くこと、医師となり社会貢献することを本気で望み、さらに、辛い受験勉強でも乗り越えられるようになり、結果として成績も向上する効果を持つのです。
「医のアート」の教材は、入学時に生徒自身が作成する「医のアートのカルテ」に始まります。生徒は家庭環境から高校での委員会、課外活動、自由研究、ボランティア、読書、そして自己分析(医師になる資質や特技、長所・短所など)をします。
そして、担任と相談して、基礎となる情報を整理して「医師志望理由」や「将来の抱負」などを組み立てます。また、医学部の入試概要、求める医師像を理解したり、医療問題、国際問題、環境問題など視野を広げ、多角的に医学・医療を取り巻く問題について理解し、自分の考えを表現できるように教材を編集しています。
さらに、新入試制度に対応するため、「自己表現」、「説明能力」というプレゼンテーション能力を高めるための素材も組み込んでいます。これらは、YMS創立以来指導内容に組み込まれており、他に追従するものはなく、『唯一無二』と言えると思います。
全学年週に1回の「医のアート」の授業を受講。テーマは「医学部入試の概要」、「どんな医師になりたいか」、「医師の適性とは」、「医師不足や偏在など医療問題」、「医学の歴史」、「医療倫理」、「環境問題」、「面接対策」、「小論文対策」、「願書の書き方」など小論文のテーマ、面接の質問事項、願書内容に利用できる全てを含みます。
「医のアート」の授業を導入にして、各担任は担当生徒それぞれに合う活動や読書、研究内容を指示し、同時に志望動機や将来の抱負を生徒と共に考えていきます。夏期には担任と相談して決めた方針に従い、ボランティアや病院見学、研修旅行、セミナーなどに参加します。
これらの指導は年間を通して継続的に行われます。そして、出願の始まる12月の初旬までには願書の書き方も指導し、しっかりとした動機を抱きつつ受験期を迎えることができるように工夫されています。受験を迎える頃には医師としての立派な資質が身についていることになります。
また、月に1回の現役医師による「AU講座」(選択講座)は、日本国内の医療に留まらず医療人がアジアという視点を持って、ボーダーレスに活躍する可能性を追求します。この講座では特に探求心を高め、プレゼンテーション力をつける効果が期待できます。
「医のアート」では、まず最初に、生徒たちが医師を志す動機をしっかり自分の言葉で語れるようになるために、良い医師とは何かを皆で話し合います。また、今の医療現場が抱える課題について考え、これからの時代の医師に求められるスキルや役割などについても学んでいきます。そしてそれぞれが興味のある分野を探っていき、良い対象と出会えたら自主研究にも取り組みます。
「医学部受験真っ只中の生徒がいったいどんな自主研究をしているの?」と驚かれるかもしれませんが、遺伝子医療や医療の倫理問題に興味を持って研究する者もいれば、東洋医学に関心を持ち、短期留学までする者もいます。このようにYMSの生徒たちは受験生でありながら、常に自らが医師になったときの理想の姿をイメージし続けています。そんな彼らが、付け焼き刃の志望動機や、借り物の結論が書かれた小論文に負けるはずはありません。
年間カリキュラム 主なテーマ | |||
前期 | 後期 | ||
1 | 医学部二次試験アウトライン | 13 | 夏の報告 (ボランティア、読書、研究など) |
2 | 君はどんな医師になりたいのか | 14 | 遺伝病と遺伝子治療脳死・ 臓器移植・再生医療 |
3 | 環境問題 | 15 | 医療倫理 |
4 | 面接の達人 | 16 | 少子高齢社会 |
5 | ボランティア、適性試験 | 17 | 一般社会問題 |
6 | 医師̶患者関係(患者中心の医療) | 18 | 各種面接対策 |
7 | ポイントは読書研究だ! | 19 | 国際社会問題 |
8 | 面接・小論文における 視野のトレーニング① |
20 | 面接・小論文における 視野のトレーニング② |
9 | 医師不足・医師の偏在 | 21 | 願書の書き方・自己評価書の書き方 |
10 | 医学の歴史 | 22 | 願書チェック |
11 | 医のアートとは | 23 | 願書チェック |
12 | 面接対策講座「講義」 | 24 | 願書チェック |
その他にも、最先端の研究分野で活躍している医師や国際医療の現場で働く医師を招いて講演会を開催したり、ハンセン病療養所に見学に行ったり、海外の医療系大学に短期留学するなど、“体験”を重視した様々なプログラムが用意されています。
医学博士/救急科専門医/集中治療専門医/総合内科専門医 坂本壮医師(YMS OB)による講演会 |
「ベトナムの赤ひげ先生」服部匡志医師の元へ ボランティア研修 |
亀田総合病院見学研修会 |
健康ハートウィーク2023にYMS生とYMS生OBが参加 |
佐久総合病院 色平哲郎医師の講演会 / 聖マリアンナ医科大学救急医学准教授・同横浜市西部病院救命救急センター 副センター長 北野夕佳先生講演会 |
“体験”を重視したプログラムは盛りだくさん |
残った課題は担任でフォローもちろん、集団討論や面接、小論文で高評価を得るための基本テクニックもしっかり指導するのでご安心ください。せっかく中身が本物なのに、テクニックを知らないせいで失敗しては元も子もありません。
それからもう一つ。社会が大きく変化していく中、そこで求められている人材も大きく変化しています。そうした社会的ニーズに対応しなければならない大学では、今まさに様々な改革が進んでいるわけですが、その中の一つに、人物評価重視の入試制度の導入が挙げられます。例えば、英語や小論文などでは、「考えたこと、感じたことを述べよ」といった問題が出題されます。事前に準備することが不可能なこのような課題に対して、一般の受験生は怖気づくのが普通です。しかし、YMSの生徒たちは普段から、「医のアート」の授業で、自分の考えをまとめ、言葉で表現する力を磨くと同時に相手の意見を聞き、さらに考察を深めることを学んでいます。
つまり、「医のアート」は、未来の社会に求められる人材を育てる学びでもあるのです。これは受験生にとって今後さらに大きなアドバンテージになっていくでしょう。また医学部受験に限って言えば、「医のアート」の授業で毎週のように、自分が医師になったときの姿を具体的にイメージしてきたYMS生が、面接で他の受験生たちに劣るようなことは絶対にありません。YMSの生徒たちの二次試験合格率が高いのは決して偶然ではないのです。
医師に求められる幅広い教養、人格、協調性や奉仕の精神は簡単には身につきません。 医学部の入試には、学科試験だけでなく、面接・小論文・適性検査も行われます。
Spireコース「医のアート」の授業では、「医学部入試の概要」「どんな医師になりたいか」「医師の適性とは」「医師不足や偏在など医療問題」「医学の歴史」「医療倫理」「環境問題」などの座学による学習に加え、「テュートリアル」を導入し、探求心を高め、プレゼンテーション力をつけることも目標としています。単なる入試のためだけでなく、社会の要請に応えられる医師の育成を理想に掲げ、課題の研究発表やディスカッション、面接・小論文練習などのワークショップを取り入れながら、実践的に医師に必要な素養を伸ばしていきます。
受験生ではなく、中三~高二生の今だからこそ時間をかけて「医学部に入学した後も役に立つこと」を見据えて、医師になるために必要な能力を培っていきます。
YMSは受験技術を教えるだけでなく
「いい医者」を育てることを
目標にしています。